(1) あなたの名前を安全に使い続ける保険になります
アーティスト名を商標登録すると、この先そのアーティスト名をずっと安心してこの芸名を使い続けられます。言い方を変えると、誰かに横取りされるおそれがなくなります。>>関連記事
商標登録は、そのための強力な「保険」といえるでしょう。
(2) ユニット解散時や事務所移転時の争いをなくすために
さらに、バンドなどのユニット名については、そのバンド解散時、メンバー交代時、事務所移転時などに、今後そのバンド名を誰が使用するか争いが起こることがあります。 バンド名を商標登録することで、バンド名に関する権利の所在をはっきりさせることができますので、こういった争いを防止することができます。 このように考えると、芸名よりバンド名(ユニット名)の方が、商標登録する意義は大きいと思います。次のようなアーティスト名は商標登録することができません。
商標登録されない芸名・バンド名の4つの類型>>関連記事
類 型 | <例> |
---|---|
(1)同姓同名の人がいる場合(含む場合) | 井上暁彦,鈴木一 郎,スーパー井上暁彦 etc. |
(2)シンプルすぎる場合(よくある姓etc.) | 井上,鈴木.1,A,◯ etc. |
(3)有名な芸名・商品名etc.と類似の場合 | いちろー,キノコの山,シャネル etc. |
(4)すでに、指定役務「音楽の演奏」etc.について、類似の商標が登録されている場合 | 小泉今日子,中島 みゆき,中山美穂,ソニーミュージック etc. |
商標登録をする必要性が高いアーティスト名と、低いアーティスト名があります。
(1) 一番、商標登録する価値が高いのは、「バンドなどのユニット名」です。ブレイク前のユニット名であっても、将来メンバーの交代や事務所移転などのときに揉める可能性は大いにあります。すでにブレイクしているユニットに関しては、知らず知らずのうちにもう争いの火種を抱えているかもしれません。人気ユニットは、音楽の演奏だけでなく、グッズの販売等からも大きな利益を生むためです。ブレイクしたユニット名は、もはや、大きな商業的価値を持つブランド名といえます。
また、一般的に、バンド名は、芸名よりも商標登録する必要性が高くなります。上に説明した通り、バンド名に関する権利について争いが起きることがあるためです。また、一般的に、芸名よりバンド名の方が”被る”ケースが多いようです。あの有名な「X」も、バンド名が被ったため「X-JAPAN」と名前を変えたそうです。
(2) 芸名に関しては、「まだ有名になっていないけれど今後有名になるであろう」という芸名が、商標登録をする価値が高いと言えます。 日本全国に知れ渡っているほどの著名な芸名であれば、仮に商標登録をしなくても、不正競争防止法などで他人の使用を禁止できるためです。ただし、すでに有名になった芸名についても、商標登録する意義はあります。本人より先に所属事務所が商標登録をしてしまうことがあるためです。そうすると、事務所移転後にその芸名が使えなくなる可能性があり、非常に面倒なことが起こり得ます。
(3) 本名を芸名にしている場合は、商標登録する意味はあまりありません。本名は、商標登録しなくても、自由に使うことができるように法律で保護されています。 ただし、加護亜依さんの騒動のような事例もあるので注意が必要です。加護亜依さんの前所属事務所が、「加護亜依」という名前を商標登録したことによるものです。 本名は、基本的に自由に使うことができますが、「ロゴ」にしたり「CD」のジャケットにデザインしたり、特殊な使い方は制限される場合があります。<商標登録する必要性の高さ>
種別 | 有 名 | 商標登録の必要性 |
---|---|---|
ユニット名 | 無名 | 高い |
ユニット名 | 有名 | とても高い |
芸名 | 無名 | 中 |
芸名 | 有名 | 中〜高 |
本名 | 無名 | 低 |
本名 | 有名 | 低〜中 |
商標登録は、
この「商標(名前やロゴ)」を、
この「商品(又はサービス)」に使います、
という風に、「商標」と「商品」をセットで登録します。
そして、使用する「商品」が増えるほど、商標登録にかかる費用が大きくなり、手続も煩雑になります。
グッズといっても、Tシャツ(被服分野)から携帯ストラップ(電子機器分野)まで様々ですので、グッズの商標登録をご検討の方は、弁理士に相談することをお薦めいたします。
商標登録は、自分でも手続きすることができます。自分で商標登録の手続きをすると、弁理士に支払う報酬がかからないため、費用は特許印紙代1万2千円(第41類「音楽の演奏」のみで権利取得の場合)のみとなります。
自分で商標登録をする方法は、大きく次の3ステップとなります。
(1)調査
出願手続きの前に、まず、その芸名やバンド名がすでに商標登録されていないかを調査しましょう。
調査は、IPDLという特許庁のデータベースを使って行います。このデータベースは、誰でも無料で利用することができます。詳細は、特許庁のデータベースを使った調査方法もご参照ください。
(2)出願手続き
次に、願書を作成して、特許庁に提出しましょう。 このサイトでは、音楽家のお客様にだけ特別に、商標登録願書の記載例を無料で提供しております。(3)登録料納付
無事審査をパスした場合、特許庁から「登録査定」という書類が届きます。登録査定が出たら、「登録料納付書」に特許印紙を貼付けて、特許庁に提出します。 この手続きをして初めて、正式に「商標登録」がなされます。
上に説明した通り、自分で商標登録手続きを行えば弁理士費用を節約できますが、
皆さんのビジネスのことを考えると、やはり弁理士に依頼することをお勧めいたします。
弁理士に商標登録を依頼するメリットは、主に次の通りです。
(1)適切な権利を取得できる(商標の選択、業種の選択)商標登録は、「商標」と「業種」をセットで登録し、これらの記載の仕方によって権利範囲などが変わってきます。最適な権利範囲での登録をするためには、弁理士へ依頼するのが確実です。
(2)正確な調査を行ってくれるIPDLを使った調査は、無料でできますが、正確な調査をするにはかなりの熟練度が必要です。商標調査は、完全一致のみならず、類似の範囲まで調べる必要がありますので、専門家でなければ正確な結果を得ることはできません。
(3)審査結果がNGだった場合も、反論してくれる商標登録の審査は、決してあまいものではありません。審査結果がNGとなることも多いです。審査結果がNGのときに反論することは、弁理士以外では困難となります。特に、芸名の商標登録の場合、「本人の承諾書」という書面を求められる場合があるので、注意が必要です。
(4)登録後もフォローしてくれる商標登録は、登録しただけでは何も意味はありません。登録した後に、その権利をどのように使っていくのかが最重要となります。商標登録後にその権利を最大限活用するには、専門家の知識が必要です。
あなたの芸名を商標登録したほうが良いのか、弁理士に依頼したとき、費用はどれくらいかかるのか? 日本唯一の”音楽専門弁理士”が芸名商標登録のすべてをお伝えします。
音楽家の場合、基本的に芸名・バンド名の商標登録にかかる費用は、下記の通りとなります。登録までに合計141600円です。
このページでは、皆さんの芸名・バンド名を商標登録する意義について説明しています。141600円という値段と、これらのメリットを比較して、商標登録する価値があるかどうかを考えてみてはいかがでしょうか。印紙代 | 弁理士費用 | |
---|---|---|
出願時 | 12000円 | 40000円 |
登録時 | 37600円 | 52000円 |
合計 | 141600円 |
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いつかは日本一有名なタレントに、いつかは世界に認められるミュージシャンにと、たくさんの人の目にとまる東京で路上パフォーマンスをコツコツと積み重ねている方もいらっしゃることでしょう。活動するにあたっては、コンビ名やバンド名、芸名などをメジャーになる前からつけるのが一般的です。