協会ビジネスと商標登録

こんにちは、東京都杉並区で商標登録専門の弁理士をしております、井上と申します。

ここでは、協会ビジネスと、商標登録の関係について少し詳しくご説明します。

「協会ビジネス」とは?

最近よく見るいわゆる「協会ビジネス」というのは、「のれん分け」とか「家元制度」に近いものです。

例えば、私の顧問先のとある協会では、背骨を矯正するを世の中に広める活動をしています。

最初は、一人のゴッドハンド的な優れた技術を持った方が、自分のお客さんに対して施術をしていました。しかし、あるとき、この技術を世の中に広めようと思ったんですね。そこで、協会を作り、協会員に対して自分の技術を教えていきました。技術を学んだ協会員は、次第に自分自身のお客さんを持つようになります。そして、さらに経験を積んだ会員は、今度は、自分が教える側に回ります。

このように、教える側に回る会員が増えていくと、この協会の技術は加速度的に世の中に広まります。これが、協会ビジネスのビジネスモデルです。

協会ビジネスの流れ

もう一度、協会ビジネスの流れを整理してみると、次のようになります。

(1)優れた技術を持った人Aが、自分のお客さんにサービスを提供している

(2)経験を積んだAは、自分の技術を協会員Bに教える

(3)Bは技術を学び、自分のお客さんを持つようになる

(4)経験を積んだBは、今度は教える側に回り、協会員Cに技術を教える

(5)Cは技術を学び、自分のお客さんを持つようになる

(6)Cも教える側に回り、協会員Dに技術を教える

<以下繰り返し>

協会ビジネスのメリット

協会ビジネスのメリットは、なんといっても、巨額の広告費をかけること無く、優れたノウハウ・知識・技術などを世の中に広めることができるという点にあります。

経営的な観点から言うと、企業に比べると、圧倒的に小さな経営母体で運営できるという点も魅力的です。各協会員がそれぞれ経営者として活動するためです。

協会員が協会に所属する理由

協会員は、最初は協会のノウハウを学ぶためにお金を払って会員になりますが、その後も継続して年会費を支払い、ずっと会員でいつづけるのはなぜでしょうか? ノウハウは既に学んでいるので、協会員をやめても、自分でビジネスをすることはできるはずです。

一般的に、協会員が年会費を払ってずっと会員でありつづける理由は、その協会に所属していることが、その会員の信用をアップさせるためです。いいかえると、「その協会の名前に信用(ブランド力)があるため」といっても良いでしょう。

協会ビジネスと商標登録

すでにお気づきの方もいるかと思いますが、協会ビジネスと商標登録は、きっても切り離せない関係にあります。

上で説明した通り、協会の信用(ブランド力)というものは、協会員にとって非常に重要なものとなります。協会が商標登録をおこたって、その協会名や技術の名前、メソッドの名前などが誰か他の人に先に商標登録されてしまったら、非常に大きな問題となります。その協会は、名前を変えなくてはならなくなるためです。

協会の信用はその協会の名前に蓄積していますので、協会が名前を変えたら、協会員は非常に困ることになります。このような事件が起きると、協会の理念に賛同して活動している協会員を裏切ることになるのです。

協会ビジネスの陰の悩み

先ほど、「誰か他の人に先に商標登録されてしまったら」というお話をしましたが、実は、協会にとっての悩みのタネは、外部の人間だけではありません。協会内部の人間、特に、協会を辞めていった元会員というのも協会の悩みのタネになることがあります。

例えば、協会でノウハウやメソッドを学んだ協会員が、協会をやめて活動する場合があります。それ自体は全く問題ないのですが、そのときに、その元会員が、協会のメソッドやノウハウの名前をそのまま使うケースがよくあるのです。

これは、結構重大な問題です。ビジネス的(経済的)にも問題ですが、一番問題なのは、協会のノウハウのやメソッドの名前を使って、質の低いサービスを提供されて、事故などが起こった場合です。特に、美容系・健康系の協会等はこの点に注意をしなければなりません。

このように、全く知らない外部の人間だけでなく、内部の人間とのトラブル対策のためにも、商標登録は重要になってきます。

協会ビジネスのご相談承ります

協会ビジネスを始める方、分からないことが色々あると思います。

例えば、

「法人化した方が良いのか?」

「商標登録はいつしたら良いのか?」

「会費はどうすれば良いのか?」

「会員規約はどうすれば良いのか?」

このようなご相談を承っております。

AIS弁理士事務所では、こういった協会ビジネスを始める段階の方のサポートを数多くさせていただいております。まずは、一度ご相談ください。今後の方針が見えてくると思います。

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