弁理士とはどんな仕事? 特許と商標

こんにちは、東京都杉並区で商標登録専門の弁理士をしています、井上です。

今日は、一般の方には案外知られていない、「弁理士」という職業について、ご説明します。

理系の司法試験と言われた国家資格です

弁理士は、一昔前は「理系の司法試験」と言われた国家資格です。名前を聞いてわかる通り、司法試験と比較できるほど難しい資格試験です。

また、「理系の」という言葉からわかる通り、弁理士は、理系の人の割合が多い職業です。

特に、最近の弁理士試験合格者は、80%以上が理系、しかもそのほとんどが大学院卒業という実情です。

弁理士といえば特許明細書の作成

それでは、なぜ、弁理士には理系が多いのでしょうか。資格試験の内容自体は法律の問題なので、文系の人も合格できます。

しかし、合格した後は、多くの弁理士は「特許明細書を書く」という実務をすることになります。これには、非常に高度な科学技術の知識を必要とします。

特許というのは、新しい発明のことを言い、青色発光ダイオードなどを想像していただければわかると思いますが、科学技術そのものです。
弁理士は、発明者が発明した新しい技術を理解した上で、「この発明はこういうもので、こういうところが新しいんです」という文書にして、特許庁に提出します。

文科系の人でもかなり努力して勉強すれば特許明細書を書けるようになりますが、それでも最近は、特に技術分野の細分化が進み、その技術分野の専門家でないと対応できない案件が増えてきました。

弁理士のもう一つの仕事、商標登録

弁護士、税理士、弁理士などを侍にたとえて「士業」ということがありますが、弁理士にとって、長い方の刀が「特許」だとすれば、もう一本の短い方の刀(脇差)に当たるのが、「商標登録」です。

商標登録というのは、例えば、シャネル、Sony、といったブランド名や、Walkman、コアラのマーチ、ホカロン、といった商品名や、着うた、mixiといったサービス名などを、お役所に届け出て、独占権を確保する仕事です。

自分が独占権を確保していないと、誰か他の人に独占権を取られてしまう可能性があり、そうすると、自分がその名前を使えなくなってしまうためです。

商標登録は、名前やロゴマークに関する権利なので、特許明細書を書く仕事のように、科学的な知識は必要ありません。

ただ、広く市場に関する知識や、「ブランド」に関す理解などが求められる分野となります。

また、他人の商標と自分の商標が似ているかどうかを判断する、いわゆる「類比判断」や、その商標が商標登録できる程度に特徴のあるものなのか(ありきたりすぎる商標は商標登録できないというルールがあります)を判断する「識別力」の判断などは、商標弁理士の高度な専門分野となります。

弁理士は何をしてくれるの?

弁理士は、お客さんの「代理人」として、特許や商標の申請業務を代行します。

特許や商標登録の手続きは、非常に面倒なものですが、弁理士に依頼すれば、基本的にお客様がすることはほとんどありません。最初に、弁理士に自分のビジネスを説明すれば、後は弁理士がすべてやってくれます。

自分で手続きはできないの?

法律上、お客様が自分で手続きをすることもできますが、特許に関しましては、ご自身で手続きをするということは、本当に、心底おすすめいたしません。

確かに、特許を取るだけであれば、手続きはものすごく面倒ではありますが、なんとかご自身の力でできるかもしれません。

しかし、取得した権利は、ほぼ間違いなく、権利範囲が狭すぎて効力が非常に弱いものになると思います。

これは、商標についても基本的には同じです。商標については、書類作成は特許ほど難しいことはありませんが、適切な権利範囲を確保するには、弁理士に依頼しなければ、安全とは言えません。

例えるならば、風邪をひいたときに病院に行くか、自分で直すか、ということに似ています。本当にただの風邪ならば、自宅でじっとしていれば治りますが、風邪かどうかの判断は弁理士しかできず、また、重い病気の場合は、自己流で治療することは命取りとなります。

※ 弁理士に商標登録を依頼するメリットについては、下記の記事もご参照ください。
<弁理士に依頼するメリットは?>

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