こんにちは、東京都杉並区で商標登録専門の弁理士をしています、井上です。
他社の登録商標でキーワード入札
例えば、ABCという有名な教材があるとします。もちろん、この「ABC」は商標登録しています。
このとき、ある人がABCを買いたいと思って、GoogleやYahoo!で「ABC」と検索したとします。すると、当然、ABCのリスティング広告が表示されます。しかし、このとき、ABCだけでなく、同業他社の商品のリスティング広告も多数表示される場合があります。
これは、ABCの名声にフリーライドする意図で、同業他社が、「ABC」というキーワードにて、リスティング広告を表示させるように設定しているためです。
リスティング広告についてある程度ご存知の方は、WEBプロモーション業界では、この手法は極めて普通に行われていることをご存知だと思います。
キーワード入札だけでは商標権侵害とならない?
現状、他社の登録商標でキーワード入札するだけで「商標権侵害」に該当すると判断した判例はありません。また、Yahoo!やGoogleの見解も、同様です。
実質的な損害は?
同業他社が、自社の登録商標でリスティング広告を表示させ続けた場合、様々な形で自社に損害が出ます。
(1)ブランドの希釈化
(2)ブランドの普通名称化
(3)ブランドの汚染化
(1)について
ABCという有名商標でインターネット検索したとき、ABC以外の広告が多数表示された場合、ABCのブランド力が薄くなります。つまり、「ABCといえば、あの会社のあの商品だよね!」という世間からの認識が薄らぎます。これをブランドの希釈化と言います。
(2)について
希釈化が末期的になると、(2)に進み、普通名称化という現象が起きます。最悪の場合、ABCの商標権が全く無力になる場合があります。
(3)について
同業他社の広告が表示されるだけでなく、その同業他社の商品が劣悪な物だったりすると、自社商品のイメージが悪化します。これをブランドの汚染化といいます。
防止方法は?
リスティング広告に詳しい方は、このような同業他社のリスティング広告の表示を消すことが難しいことを知っており、あきらめている方が多いと思います。
しかし、実際は、対策方法は存在します。確実に消すことは難しいですが、被害を小さくすることはできます。商標権侵害でなくとも、交渉の材料は色々あるものです。
私の事務所は、この「リスティング商標管理サービス」を外注でやっている、おそらく唯一の弁理士だと思います。
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