こんにちは、東京都杉並区で商標登録専門の弁理士をしています、井上です。
私の経験上、飲食店の方からの、「警告書が送られてきた」というご相談は非常に多いです。最も多い業種かもしれません。
地方の小さな居酒屋に東京の大手の飲食業会社から警告書
私が、北海道の室蘭市という小さな町に住んでいた頃、地元の小さな小料理屋から、ご相談を受けました。
大手の飲食業の会社から、「あなたの店名は、私の会社の商標権を侵害しているから、使うのをやめてください」という警告書が来たとのことです。
私は同時、弁理士資格は持っていましたが、代理人として弁理士業はやっておらず、大学の研究者をやっていました。しかし、町に弁理士は一人しかいなかったので、大学の教授のつてで、ご相談を受けたのでした。
商標登録は早い者勝ちです
その小料理屋は、おそらくも30年以上同じ名前でお店をやっていたと思います。しかし、商標登録は早い者勝ちです。よほど有名になっている場合を除き、「先に使っていたから」という言い訳は通用しません。
インターネット社会の影響
また、今まで30年以上も使い続けていたものが急に警告を受けたというのは、インターネット社会が広まったことの影響だと思います。現在は、地方の居酒屋であっても、「ぐるなび」のようなサイトにばっちり掲載される時代です。地域が違っても、使用していることは、簡単に知られてしまいます。
商標の競合はビジネスの競合とは限らない
商標権者が小さな飲食店であれば、全く別な地域であれば、同じ名前を使っている人がいても何も言わないかもしれません(警告するのも、手間とお金がかかりますので)。
しかし、「飲食分野」で商標登録するのは、いわゆる町の小さな飲食店だけでなく、大手の飲食業会社もありますし、あるいは、飲食業以外の会社もあります。例えば、大手のパチンコ会社が、かたわらで飲食店をやっていて、商標登録している場合などもよく見かけます。
こういった大手の会社は、相手が別な地域の小さな飲食店であっても、手間とお金を惜しまず警告書を送ってきます。
長年使っていた暖簾を変えることになりまいした
その小料理屋のご相談を受けて検討した結果、登録されている商標と完全に同じではないものの、部分的には一致していました。こういう場合、ある意味グレーではありますが、こちらとしては、なかなか反論するだけの力はありません。
結果として、その小料理屋は、大手飲食業会社の言い分を受け入れることになりました。
損害賠償などの話はありませんでしたが、長年使っていた暖簾や、ホームページ、箸袋などを全て変えることになりました。
もうこんな目には会いたくないと新しい名前は商標登録しました
そして、その小料理屋は、名前を変えて、新しい名前は、商標登録しました。
私の方からお勧めしたわけではなく、「もうこんな思いはしたくないので」ということで、店長さんがご自身で言い出したことでした。
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「商標登録につて相談したい」という簡単な記載でも結構です。
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