NPO法人の最大の財産が「信頼性」であることは、説明するまでもないと思います。国や地方公共団体から正式に認証を受けた、「特定非営利活動法人」。需要者にとってその信頼性は高く、株式会社にはない特別な武器といえます。
そして、その「信頼性」は、あなたが法人名やサービス名を使い続けることによって、あなたの法人名やサービス名に蓄積されます。
つまり、「信頼」は実体ではなく、「名前」に蓄積されると言っても過言ではないのです。
もし、あなたのNPO法人の法人名やサービス名が、他の団体によって商標登録されてしまったら、どうなるでしょうか?
あなたは、自分の名前を使い続けることができなくなります。
結果として、今まで蓄積してきた、あなたのNPO法人の最大の財産である「信頼」は、失われてしまうのです。
商標登録は、あなたの名前に蓄積された「信頼」を保護するための制度です。
あなたが、現在のNPO法人名を今後10年以上使い続けるならば、商標登録は、そのために必要不可欠な「保険」といえるでしょう。
NPO法人の公共性の高いサービス名は、「普通名称化」する危険性が高いと言われています。
普通名称化とは、元々は特定の事業者の商品名やサービス名であったものが、有名になり過ぎて、誰もが自由に使う状態になることをいいます。
例えば、「エスカレーター」は、元々米国オーチス・エレベータ・カンパニーの商品名でしたが、商標登録をせずに公共の場での利用が進んだ結果、階段式昇降機一般を示す名前として、誰もが自由に使える状態になってしまいました。
あなたのNPO法人のサービス名が普通名称化すると、どうなるでしょうか?
① まずは、NPO法人の収益が減少します。
② 次に、いろんな人があなたのサービス名を勝手に使うことにより、あなたは、自分のサービス名に蓄積された信用を失います。
③ そして最終的には、需要者の信頼を裏切るという結果にいたります。サービスの内容によっては、事故などにつながることさえあるのです。
NPO法人の公共性の高さは諸刃の剣。その名前が有名になるにつれ、あなたには、自分のサービス名をきっちり管理する責任が生じます。