2017/03/07

ヨガインストラクターの方からの商標登録に関するご相談

こんにちは、AIS弁理士事務所の井上です。東京都杉並区で商標専門の弁理士をしています。

 

 

先日、ヨガインストラクターのAさんから商標登録に関するご相談をいただきました。

この方は、「〇〇ヨガ」という独特のヨガの手法を実践されています。

 

ご相談に至った経緯ですが、お友達に誘われて、私の商標セミナーに来てくれたのがきっかけでした。当初は、商標登録しよう、とまで考えていたわけではないと思います。

 

それで、セミナー後にご相談を受けて、最終的に、この「〇〇ヨガ」という言葉を商標登録することになりました(現在は無事に登録になっています)。

 

 

「内容そのまま」の商標は商標登録になりません

 

ただ今回は、この「〇〇ヨガ」の〇〇の部分が、このAさんがやっているヨガの手法において「使用する物」の普通名称だったため、少々話が難しくなりました。

 

こういう、「内容をそのまま表しただけ」の言葉は、原則として商標登録にならないことになっているためです。

例えば、「生ハムレストラン」という言葉は、生ハムを出すレストラン、ということを「そのまま」表したにすぎないと判断されるため、商標登録にならないということです。

 

 

 

<Aさん>

私、「〇〇ヨガ」という画期的なヨガを教えているんです。この名前でどんどん広げていきたいと思っているんですが、商標登録ってやっぱり必要なんでしょうか?

 

 

<井上>

うーん、基本的には商標登録した方が良いのですが、その前にまず、「〇〇ヨガ」という言葉が商標登録できるかどうかという問題がありますね。若干、「内容そのまま」な感じがあります。うーん、どうだろう。僕の感覚だと、(商標登録になるかどうかの)グレーゾーンかなあと思いますが・・・。うーん・・・ちょっとGoogleで「〇〇ヨガ」という言葉がヒットするか、調べてみます。

 

 

 

ヨガのようなマニアックなジャンルは「そのまま」かどうかの判別が難しい

 

実は、飲食店のような典型的なビジネスだと「そのまま」かどうか比較的わかりやすいのですが、「ヨガ」のようなちょっとマニアックなジャンルのものだと、「そのまま」なのかどうか、けっこう判断が難しかったりします。

 

例えば、椅子を使ってやるヨガ「椅子ヨガ」とか、時計で時間を計ってやるヨガ「時計ヨガ」とか、パワースポットでやる「パワースポットヨガ」とか。

 

こういったし言葉は、弁理士の目から見ると、一見して、「これは通らなさそう」と思うのですが、私の経験上、案外商標登録になったりします。

 

 

<Aさん>

商標登録にならなかったら、まずいんですか?

 

 

<井上>

いえ、もし「〇〇ヨガ」という言葉が商標登録にならなかったとしたら、それは、「この言葉は一般的な言葉だから誰もが使っていいです」ということになります。ですから、商標登録にならなかったとしても、Aさんが使用する分には全く問題ありません。

 

<Aさん>

そうなんですね。

 

 

<井上>

ただ、一つ問題なのは、こういうグレーゾーンの商標の場合、「これは商標登録にならないだろう」と判断して商標申請をしないでいたら、他の人が商標申請して、なんと登録になってしまった、ということもあるんです。

なので、「〇〇ヨガ」の場合、100%登録になるとは言えないし、うーん登録になる可能性は60%くらいかなあ。という、まさにグレーゾーンの商標なのですが、それでも、Aさんが「〇〇ヨガ」という言葉を今後も大事に使っていきたいということであれば、思い切って商標申請してみるというのも大事なんですよね。

 

 

<Aさん>

そう言われてみると、確かにそうですね。うーん、どうしたらいいんだろう・・・

 

 

<井上>

今回の場合ですと、一つこちらからご提案できることとして、「成功報酬制で商標申請してみる」ということはあります。

私の方でも、この件に関しては「グレーゾーン」という判断しか言えなくて、ある意味、専門家としては申し訳ない気持ちもあります。ですから、印紙代の1万2千円だけいただければ、とりあえず商標申請して、そこで登録になったら、報酬をいただくというやり方でもいいですよ。

 

 

<Aさん>

ええ!? 本当にいいんですか? それでは、ぜひお願いします。

 

 

 

健康分野の商標登録は信用を守るために大事

 

こんな感じの経緯で、商標登録の手続きを進めることになりました。

 

ヨガとか、健康に関わる分野というのは、実は、商標登録はすごく大切です。なぜかというと、人体の健康に関わるビジネスは、信用が第一だからですね。万が一、同じ名前を他のタチの悪い同業他社に使われて、粗悪なサービスをされたら、とばっちりを受けてとんでもないダメージを受けることになりかねません。

ですから、これを読んでいるインストラクターの皆さんも、もし商標登録について少し検討してみたいということでしたら、お気軽に、下記のお問い合わせフォームからご相談をください。お問い合わせフォームからご連絡頂いたら、だいたいの場合、まずはお電話で10分くらいお話をする流れになるかと思います。10分の中で、皆さんのビジネスのお役に立つヒントをお伝えできるのではないかな、と思っています。

 

 

※商標登録について疑問や不安のある方は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

質問事項を記載するのが難しい方は、「商標登録の事で相談したい」という程度の簡単な書き方でも結構です。こちらから、ご連絡を差し上げます。

 

 

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2017/02/26

楽曲名は商標登録する必要がある?

こんにちは、AIS弁理士事務所の井上です。東京都杉並区で商標専門の弁理士をしています。

 

PPAPの商標登録について話題になっていますね。音楽分野にも商標登録の波が押し寄せている感じがします。

 

ところで、PPAPというのは、一種の楽曲の名前と言えますが、楽曲の名前をいちいち全部商標登録しなければならないのでしょうか?

 

私の知る限り、楽曲の名前を商標登録することは稀です。楽曲の名前というのは、通常は、楽曲の内容を示したにすぎないものと考えられ、商標と認識しないことが多いです。

例外的に、PPAPのように楽曲名のレベルを超えて有名になったり、同じ楽曲名でシリーズのようにしてCDを出すような場合は、商標登録を検討する必要があります。

 

 

私は音楽分野の商標が得意で、多くの音楽家のご相談に乗っていますが、やはり、一番多いのは、バンド名やユニット名の商標登録です。

 

音楽家が最優先に商標登録すべき商標は何か? というのはなかなか難しい問いですが、「何を商標登録するか?」を考えるときは、お客さんの間で一番有名なのは(広く認識されるのは)何か? と考えるといいと思います。

 

例えば、音楽ユニットの場合、通常は、個人の芸名よりも、一つの楽曲名よりも、バンド名、ユニット名ということになるかと思います。ですから、多くの場合、バンド名やユニット名を優先的に商標登録する必要があるのです。

 

 

※商標登録について疑問や不安のある方は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

質問事項を記載するのが難しい方は、「商標登録の事で相談したい」という程度の簡単な書き方でも結構です。こちらから、ご連絡を差し上げます。

 

 

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2017/02/26

外国で有名な言葉を日本で商標登録できますか?

こんにちは、AIS弁理士事務所の井上です。東京都杉並区で商標専門の弁理士をしています。

 

先日、タイ古式マッサージのサロンを経営されているお客様から、次のような質問をいただきました。

 

 

>タイのヨガ 「ルーシーダットン」は、過去に商標登録をした方がいたのですが、後々撤回されました。

>他国の文化等は、商標登録が難しいということなのでしょうか?

 

>また、商標登録が撤回される時は、どのような手続きがなされるのでしょうか?

 

 

なるほどー。これは実際によくある話で、なおかつ深いテーマですね。

今日は、このご質問に答えていきたいと思います。

 

 

(1)普通名称は商標登録になりません

 

日本の商標法では、例えば、「整体」とか「マッサージ」のように辞書に載っているような普通名称は商標登録になりません。普通名称かどうかは、商標登録の審査の時に特許庁の審査官が辞書とか、インターネットとかで調べて判断しています。

 

「ルーシーダットン」という言葉をインターネットで調べると、Wikipediaに、「ルーシーダットン(ฤาษีดัดตน)はタイに伝わる伝統医学の一つで、自己整体法。」と記載されています。「伝統医学」というくらいですので、これは、少なくとも、完全に普通名称なのですね。

 

しかし、審査官の調査も絶対に穴がないということはありませんから、外国の言葉には気がつかないことがあります。それで、「ルーシーダットン」については、タイの伝統医学だと気づかずに、商標登録になってしまったのだと思います。

 

 

(2)普通名称だけでなく、外国で有名な名前なども商標登録になりません

 

例えば、日本では有名でないけれど、スペインでは超有名な商品名があったとします。これはもちろんスペインでは商標登録しているわけですが、日本では販売していないので、日本ではまだ商標登録していません。

 

こういう時に、「これは将来日本でも流行るかもしれない」という考えのもと、先取り的に商標登録する人がいます。しかし、実は、こういった商標登録は、商標法の4条1項19号という法律で禁止されています。

 

逆の立場になってよく考えていただければわかると思うのですが、例えば、日本で有名な「くまモン」を中国人が中国で商標登録したら、どうでしょうか。「ビジネス的にどうか?」「法律的にどうか?」はさておき、気分は悪いですよね。よく、中国に関してこのような商標登録の話がニュースになりますが、日本人にも、結構同じことを考える人はいるんです。

 

 

(3)審査官が見落として商標登録になった場合、「商標登録無効審判」という手続きがあります

 

しかし、外国で有名な言葉とか、外国で普通名称として使われている言葉というのは、本来商標登録にならない言葉であっても、審査官の調査から漏れることが多々有ります。

 

ですから、商標法では、ルーシーダットンのように、審査官が見落として商標登録になってしまうということも想定して、「商標登録無効審判」という制度を設けています。

 

この制度は、一度商標登録になった言葉であっても、「これは過誤登録だ!」と言ってその商標登録を無効にすることを主張できる制度です。この主張が認められると、商標登録は最初からなかったものとみなされます。

 

 

※商標登録について疑問や不安のある方は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

質問事項を記載するのが難しい方は、「商標登録の事で相談したい」という程度の簡単な書き方でも結構です。こちらから、ご連絡を差し上げます。

 

 

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2017/02/19

PPAPと商標登録

こんにちは、AIS弁理士事務所の井上です。東京都杉並区で商標専門の弁理士をしています。

 

PPAPの商標登録について、話題になっていますね。

僕も弁理士なので、「こんな問題が起こらないように、ちゃんと商標登録をしましょう」ということを伝えていくべきなのかもしれませんが・・・それは、別に僕が言わなくてもいいと思いますので、ここでは、僕が一番思ったことを書きます。

 

 

商標登録って早い者勝ちのゲームなの?

 

今回僕が一番気になったのは、商標登録の重要性よりもなによりも、「どうして商標登録の本質について誰も語らないのだろう?」ということでした。

なんというか、世間一般においては、(あるいはひょっとしたら弁理士にとっても)、商標登録というものは、早い者勝ちのゲーム程度に認識されているのかもしれまんせん。

 

僕は、芸名の商標に詳しいので、以前、週刊誌から取材を受けたことがあります。某有名芸能人Aさんの芸名を事務所が商標登録したことについて、今後その芸名が使えなくなるのか?というご質問でした。確かに、それはそれで、芸能界にとっては大きな問題なわけですが、しかし、Aさんの件にしても、PPAPにしても、あるいは東京オリンピックのエンブレム問題にしても、世間で語られている商標への関心のレベルというのは、野次馬というか、冷やかしというか、そういうレベルですよね。

 

商標というものの本質は、まだまだ、日本では広まっていないんだな、ということを残念に思っています。

 

 

商標登録は、商標に蓄積された信用を守るもの

 

商標登録という制度は、商標に蓄積された、お客さんからの信用を守るための制度です。例えば、PPAPのように日本中で有名になっているような商標は、非常に信用が蓄積されている状態と言えます。

 

このように、PPAPという商標に蓄積された信用を守るのが商標法の役目ですから、PPAPという商標の信用に便乗するような商標登録は、当然認められません。今回のベストライセンス株式会社の申請した商標登録に関しては、完全に不正目的ですので、商標法4条1項19号という条文に違反して、商標登録になりません。

 

 

有名な商標より、まだ有名でない商標の方が商標登録の必要性が高い

 

PPAPのように超有名になってしまえば、法律的に保護される術がいくらでもあります。

一方、これが、「まあまあ有名」という程度の商標だったり、「まだ有名でない」商標の場合は、商標登録を怠っていたら、簡単に横取りされてしまいます。いくら相手に悪意があったとしても、商標法上、これを防ぐ術はありません。これはなぜかというと、こういった商標にはまだ、法律で保護すべき「信用」がまだ蓄積されていないためです。

 

ですから、「有名になったら商標登録しよう」という発想は、危険です。商標登録は、まだ有名でない商標ほど重要なのです。

 

 

※商標登録について疑問や不安のある方は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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2016/09/02

芸名・バンド名・ユニット名の商標登録と「承諾書」について

こんにちは、AIS弁理士事務所の井上です。東京都杉並区で商標専門の弁理士をしています。

 

著名な芸名・バンド名・ユニット名を商標登録するときは本人の承諾書が必要

 

商標法4条1項8号では、著名な芸名を商標登録するときは、「本人の承諾」が必要だとしています。

この「著名な」の基準は難しいところなのですが、一つ傾向としていえるのは、だんだん、この「著名」の基準が下がってきていて、「承諾書」を求められるケースが増えてきたということです。

 

 

承諾書が求められるケースとして多いのは、次の二つです。

 

(1)所属している音楽事務所、芸能事務所などが商標登録するとき

 

アーティスト本人が芸名・バンド名・ユニット名などについて商標登録するのではなく、所属事務所が商標登録するケースがままあります。昔は、そういうケースではあまり承諾書をもとめられなかったようなのですが、事務所とアーティストの揉め事がおおいせいか、こういう場合にも承諾書を求めるケースが増えてきました。

 

ちなみに、バンド名やユニット名の場合は、メンバー全員の署名が入った承諾書必要なので注意が必要です。

 

 

(2)バンド名やユニット名について、リーダーが商標登録するとき

 

バンド名やユニット名について、そのバンドやユニットのリーダーの名義で商標登録するときは、残りのメンバー全員の署名が入った承諾書が必要となる場合があります。

 

よくあるケースとして、「他のメンバーの承諾は得られないかもしれない・・・」ということで、リーダーの方がご相談に来るケースもあります。こういうときは、とりあえず商標申請してみるしかありません。特許庁が「承諾書が必要」というかどうかは、ほとんど審査官によりますので。私のお客様でも、ユニットのリーダーとサブリーダーの2人が、残りのメンバー2人の承諾を得ないで商標申請したケースがありました。これについては、つい先日、無事に、承諾書なしで商標登録になり安心しました。

 

 

※商標登録について疑問や不安のある方は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

質問事項を記載するのが難しい方は、「商標登録の事で相談したい」という程度の簡単な書き方でも結構です。こちらから、ご連絡を差し上げます。

 

 

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