2017/02/26

楽曲名は商標登録する必要がある?

こんにちは、AIS弁理士事務所の井上です。東京都杉並区で商標専門の弁理士をしています。

 

PPAPの商標登録について話題になっていますね。音楽分野にも商標登録の波が押し寄せている感じがします。

 

ところで、PPAPというのは、一種の楽曲の名前と言えますが、楽曲の名前をいちいち全部商標登録しなければならないのでしょうか?

 

私の知る限り、楽曲の名前を商標登録することは稀です。楽曲の名前というのは、通常は、楽曲の内容を示したにすぎないものと考えられ、商標と認識しないことが多いです。

例外的に、PPAPのように楽曲名のレベルを超えて有名になったり、同じ楽曲名でシリーズのようにしてCDを出すような場合は、商標登録を検討する必要があります。

 

 

私は音楽分野の商標が得意で、多くの音楽家のご相談に乗っていますが、やはり、一番多いのは、バンド名やユニット名の商標登録です。

 

音楽家が最優先に商標登録すべき商標は何か? というのはなかなか難しい問いですが、「何を商標登録するか?」を考えるときは、お客さんの間で一番有名なのは(広く認識されるのは)何か? と考えるといいと思います。

 

例えば、音楽ユニットの場合、通常は、個人の芸名よりも、一つの楽曲名よりも、バンド名、ユニット名ということになるかと思います。ですから、多くの場合、バンド名やユニット名を優先的に商標登録する必要があるのです。

 

 

※商標登録について疑問や不安のある方は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

質問事項を記載するのが難しい方は、「商標登録の事で相談したい」という程度の簡単な書き方でも結構です。こちらから、ご連絡を差し上げます。

 

 

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2017/02/26

外国で有名な言葉を日本で商標登録できますか?

こんにちは、AIS弁理士事務所の井上です。東京都杉並区で商標専門の弁理士をしています。

 

先日、タイ古式マッサージのサロンを経営されているお客様から、次のような質問をいただきました。

 

 

>タイのヨガ 「ルーシーダットン」は、過去に商標登録をした方がいたのですが、後々撤回されました。

>他国の文化等は、商標登録が難しいということなのでしょうか?

 

>また、商標登録が撤回される時は、どのような手続きがなされるのでしょうか?

 

 

なるほどー。これは実際によくある話で、なおかつ深いテーマですね。

今日は、このご質問に答えていきたいと思います。

 

 

(1)普通名称は商標登録になりません

 

日本の商標法では、例えば、「整体」とか「マッサージ」のように辞書に載っているような普通名称は商標登録になりません。普通名称かどうかは、商標登録の審査の時に特許庁の審査官が辞書とか、インターネットとかで調べて判断しています。

 

「ルーシーダットン」という言葉をインターネットで調べると、Wikipediaに、「ルーシーダットン(ฤาษีดัดตน)はタイに伝わる伝統医学の一つで、自己整体法。」と記載されています。「伝統医学」というくらいですので、これは、少なくとも、完全に普通名称なのですね。

 

しかし、審査官の調査も絶対に穴がないということはありませんから、外国の言葉には気がつかないことがあります。それで、「ルーシーダットン」については、タイの伝統医学だと気づかずに、商標登録になってしまったのだと思います。

 

 

(2)普通名称だけでなく、外国で有名な名前なども商標登録になりません

 

例えば、日本では有名でないけれど、スペインでは超有名な商品名があったとします。これはもちろんスペインでは商標登録しているわけですが、日本では販売していないので、日本ではまだ商標登録していません。

 

こういう時に、「これは将来日本でも流行るかもしれない」という考えのもと、先取り的に商標登録する人がいます。しかし、実は、こういった商標登録は、商標法の4条1項19号という法律で禁止されています。

 

逆の立場になってよく考えていただければわかると思うのですが、例えば、日本で有名な「くまモン」を中国人が中国で商標登録したら、どうでしょうか。「ビジネス的にどうか?」「法律的にどうか?」はさておき、気分は悪いですよね。よく、中国に関してこのような商標登録の話がニュースになりますが、日本人にも、結構同じことを考える人はいるんです。

 

 

(3)審査官が見落として商標登録になった場合、「商標登録無効審判」という手続きがあります

 

しかし、外国で有名な言葉とか、外国で普通名称として使われている言葉というのは、本来商標登録にならない言葉であっても、審査官の調査から漏れることが多々有ります。

 

ですから、商標法では、ルーシーダットンのように、審査官が見落として商標登録になってしまうということも想定して、「商標登録無効審判」という制度を設けています。

 

この制度は、一度商標登録になった言葉であっても、「これは過誤登録だ!」と言ってその商標登録を無効にすることを主張できる制度です。この主張が認められると、商標登録は最初からなかったものとみなされます。

 

 

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2017/02/19

PPAPと商標登録

こんにちは、AIS弁理士事務所の井上です。東京都杉並区で商標専門の弁理士をしています。

 

PPAPの商標登録について、話題になっていますね。

僕も弁理士なので、「こんな問題が起こらないように、ちゃんと商標登録をしましょう」ということを伝えていくべきなのかもしれませんが・・・それは、別に僕が言わなくてもいいと思いますので、ここでは、僕が一番思ったことを書きます。

 

 

商標登録って早い者勝ちのゲームなの?

 

今回僕が一番気になったのは、商標登録の重要性よりもなによりも、「どうして商標登録の本質について誰も語らないのだろう?」ということでした。

なんというか、世間一般においては、(あるいはひょっとしたら弁理士にとっても)、商標登録というものは、早い者勝ちのゲーム程度に認識されているのかもしれまんせん。

 

僕は、芸名の商標に詳しいので、以前、週刊誌から取材を受けたことがあります。某有名芸能人Aさんの芸名を事務所が商標登録したことについて、今後その芸名が使えなくなるのか?というご質問でした。確かに、それはそれで、芸能界にとっては大きな問題なわけですが、しかし、Aさんの件にしても、PPAPにしても、あるいは東京オリンピックのエンブレム問題にしても、世間で語られている商標への関心のレベルというのは、野次馬というか、冷やかしというか、そういうレベルですよね。

 

商標というものの本質は、まだまだ、日本では広まっていないんだな、ということを残念に思っています。

 

 

商標登録は、商標に蓄積された信用を守るもの

 

商標登録という制度は、商標に蓄積された、お客さんからの信用を守るための制度です。例えば、PPAPのように日本中で有名になっているような商標は、非常に信用が蓄積されている状態と言えます。

 

このように、PPAPという商標に蓄積された信用を守るのが商標法の役目ですから、PPAPという商標の信用に便乗するような商標登録は、当然認められません。今回のベストライセンス株式会社の申請した商標登録に関しては、完全に不正目的ですので、商標法4条1項19号という条文に違反して、商標登録になりません。

 

 

有名な商標より、まだ有名でない商標の方が商標登録の必要性が高い

 

PPAPのように超有名になってしまえば、法律的に保護される術がいくらでもあります。

一方、これが、「まあまあ有名」という程度の商標だったり、「まだ有名でない」商標の場合は、商標登録を怠っていたら、簡単に横取りされてしまいます。いくら相手に悪意があったとしても、商標法上、これを防ぐ術はありません。これはなぜかというと、こういった商標にはまだ、法律で保護すべき「信用」がまだ蓄積されていないためです。

 

ですから、「有名になったら商標登録しよう」という発想は、危険です。商標登録は、まだ有名でない商標ほど重要なのです。

 

 

※商標登録について疑問や不安のある方は、下記のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

質問事項を記載するのが難しい方は、「商標登録の事で相談したい」という程度の簡単な書き方でも結構です。こちらから、ご連絡を差し上げます。

 

 

 

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