今回は、少し具体的な事例として、「のれん分けビジネスと商標登録」についてお話しします。
飲食店もそうですが、カイロプラクティスやセラピーなどが「協会」を作って、同じ技術を共有する場合などが想定されます。
このようなときには、商標登録はとても重要です。
それは、商標が「品質保証機能」を持つためです。
「品質保証機能」というのはすなわち、
「同じ商標を使っていれば、お店の場所が違ったり、実際にサービスを提供する人が違っていても、同じ程度の品質が期待できるだろう」
とお客さんに期待させる機能です。
この機能は諸刃の剣といえます。
例えば、1号店のサービスが良ければ2号店のサービスも良いだろうと期待させる効果がある反面、2号店のサービスが悪かったら、1号店の評判まで落とす可能せいもあるからです。
卓越した技術を持ったセラピストなどがお弟子さんに自分の技術を教える場合など、このようなリスクがあります。
自分と同じ◯◯セラピーという名前を使わせるか使わせないか。
それをコントロールする手段として、商標登録は非常に有効です。
また、商標登録と併せて、しっかりした契約書を作成するのがベストだと思います。
例えば、私が教えた技術のうち、使って良いものと悪いもの、人に教えて良いもの悪いものetc.を具体的に規定するのです。
人体の治療に関するサービスは、事故が起こってからでは取り返しがつきませんので、この辺りのことは慎重にされると良いでしょう。