こんにちは、東京都杉並区で商標登録専門の弁理士をしています、井上です。
商標を独占したくないという方もいます
私のお客様には、医療や人の健康に携わっている方が多く、非常に「世の中のために」という意識の高い素晴らしい方が多いです。
例えば、そいう方が、オリジナルの優れた治療方法を考え出したとき、その治療方法の名前を商標登録を検討するといったことがあります。
そのようなとき、「商標登録をして自分だけがその商標を独占するよりも、世の中に広めたい」という言葉を聞くことがあります。
確かに、商標登録をするということは、国にお金を払ってその商標の「独占権」を得るということです。独占権ということはつまり、あなた以外の人は、その商標をあなたの許可無く使うことができなくなります。
あなたの許可があれば使っても良い
ここで、「あなたの許可無く使うことはできない」ということは、言い換えると、あなたが「誰でも自由に使っていいですよ」と言えば、誰でも自由に使うことができるという意味になります。ですので、商標登録をしたとしても、その商標を広く世界に広めることはできます。
商標登録した上で自由に使わせるメリット
それでは、「誰でも自由に使っていいよ」というならば、なぜ、わざわざ商標登録するのでしょうか?
それは、「誰か別の人(特に悪い人)に独占されたり、悪用されたりしないため」ということになります。
もしあなたが商標登録をしなければ、誰か、他の人に独占されてしまう可能性があります。その場合、その人は、「誰でも自由に使って良いよ」と言わない可能性が高いです。そうしますと、あなたも、それ以外の人も、その商標を使うことができないのです。
それを防止するには、あなたが自ら商標登録してその商標を管理し、その上で世の中に広める、ということが理想的と言えます。
また、あなたが商標登録しておけば、基本的には「自由に使っていいよ」といいつつ、悪質な使い方をする人に対しては、使用を禁止することができます。
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こんにちは、東京都杉並区で商標登録専門の弁理士をしています、井上です。
ここでは、整体・整骨・カイロプラクティック・鍼灸などの業種にフォーカスして、その中でも、施術や手技の名前を商標登録する方に向けて解説していきます。
施術・手技の名前を商標登録して他社との差別化する
施術・手技の名前がオリジナルのものである場合、これを商標登録することで、他社が勝手にこれを使用することを防止できます。これは、経営的な観点で言うと「サービスの差別化」になります。
一方、施術・手技の名前がオリジナルでない場合は、商標登録することはできません。
例えば、辞書に載っているような普通名称の場合や、「美容整体」のように、「美容のための整体なんだろうな」と簡単にわかるようなものは、商標登録できません。
施術・手技の名前を商標登録することで逆に適切に広まる
整体等の健康分野の仕事をされている方は、非常に公益的な観点を持っている方が多く、自分自身がその技術を独占して儲けるのではなく、この手技を広く広めて世界に貢献したいという方が多いです。
そういう方にお伝えしたいことは、むしろ、「きちんとした知識を持っている人間が管理した上で、ちゃんと勉強した人には自由に使用を許可する」という形で広める方が、世の中に広く正しく伝わる可能性が高いということです。
せっかく良い施術方法や手技であっても、その名前を使って粗悪なサービスをする人がでてきたら、広く正しく伝わらなくなってしまうのです。
他人の事故に巻き込まれないために
あなたのオリジナルの施術方法が良いものだと認められるにつれ、同じ名前のサービスを提供する同業者が増えてきます。
そして、残念ながら、その中には、質の悪いサービスを提供する人も必ずと言って良いほど出てきます。
最悪のケースとしては、そのような同業者が、同じ名前を使って事故などを起こしたときです。インターネット上などで悪評が立つと、オリジナルであるあなたの信頼を著しく損なうことになります。
人体に関わる仕事ですので、きちんとした施術をしていたとしても事故が起こる可能性はゼロではありません。ましてや、きちんとその施術方法を勉強しないで真似をした同業者が事故を起こす可能性は低くないのが現状です。
身内との「もめ事」を防止
上では、「他人」の自己の話をしましたが、この「他人」というのは、必ずしも見ず知らずの人とは限りません。私のお客さんにも実際あった話ですが、元々一緒に仕事をしていた元協会員が協会を辞めて、今度は自分一人でその施術方法を使ったビジネスを始めることはよくあります。そのときに、同じ名前を使われてしまうと、もめ事の元になります。
協会を作る場合は協会名の商標登録も必要?
例えば、「◯◯整体」というオリジナルの施術方法について広める協会を作る場合、まずは、「◯◯整体」という言葉で商標登録できないかを検討します。
もし、「◯◯整体」で商標登録できるのであれば、「◯◯整体協会」といった協会名は、すぐに商標登録する必要はありません。「◯◯整体」の権利は、おおむね「◯◯整体協会」をカバーできるからです。ただし、協会組織が大きくなるにつれ、やはり。協会名の商標登録は必要になると思います。協会名を商標登録する意義も、やはり大きいのです。
ご連絡はお気軽に!
この記事を読んで、商標登録について疑問などがある方は、お気軽に下記のお問い合わせフォームからご連絡ください。「何と質問していいのか分からない」という方も多いかと思いますので、質問事項は一言で結構です。例えば、「商標について相談に乗って欲しい」という程度の簡単な記載で結構です。こちらから、ご連絡を差し上げます。
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こんにちは、東京都杉並区で商標登録専門の弁理士をしています、井上です。
ここでは、医師や歯科医が行う「治療法」の名前の商標登録について説明しています。
人体の治療法の技術自体は「特許」で保護できません
これはご存知の方も多いと思いますが、日本の法律では、「人体の治療方法」そのものを保護することはできません。こういった「技術」の保護というのは「特許」の役割ですが、日本の特許法では、「人体の治療方法」は、「公益的な価値が高いため独占するべきではない」との趣旨で、保護対象から除外しているためです。
治療法の名前は商標登録で保護できます
独自に開発した治療法をビジネス的に活かす場合、商標登録で名前を保護するというのは非常に有効な手段となります。
例えば、「◯◯治療」という治療法の名前を、治療分野の第44類で商標登録すれば、その治療名は同業他者は使用することができません。
そうすることで、そのあなたは、その治療法の元祖としての地位を得ることになります。
医療器具(医療機器)として特許や実用新案で保護する
話が特許と商標で行き来して、わかりづらくてすみません。
今度は、商標ではなく、特許や実用新案についてです。実用新案というのは、簡易名特許のようなものだと考えてください。
「治療方法」は特許や実用新案になりませんが、その治療方法に独特な「医療器具」を使うときは、その「医療器具」(医療機器)として特許や実用新案取ることができる場合があります。
医師や歯科医の方から見た場合は「治療方法」であっても、弁理士が見た場合「医療器具」(医療機器)としてとらえることができる場合がありますので、一度ご相談いただければと思います。
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こんにちは、東京都杉並区で商標登録専門の弁理士をしている井上です。
ここでは、スクール、教室、認定協会など、他人に技術やノウハウ、メソッドなどを教えている方(教育関係の方)の商標登録についてご説明します。
商標登録をするメリットは?
商標登録をするメリットは、簡単に言うと、その商標を、安心してずっと使用することができるということになります。
これは、自分にとってメリットがあるだけでなく、お客さんや取引先にとっても非常に重要なことです。
特に、教育関係のお客さんにとっては、その技術やメソッドを「どこで学んだのか」というのが、一つのステイタスになることがあります。したがって、教育する側としては、同じ商標をずっと使い続けるということに関して、大きな責任があると言えます。
教育関係では何を商標登録する?
教育関係の商標といっても、色々なものがあります。
例えば、
(1)スクール、教室の名前
(2)協会の名前
(3)オリジナルの技術やメソッドの名前
(4)資格の名前
(5)教材の名前
これらを、全て商標登録する必要があるかというと、必ずしもそういうことはありません。
大企業とは異なり、中小企業の場合は予算に限りもありますので、優先順位を付けて、大事なものから商標登録していきます。
商標登録する優先順位は?
一般的に、
(1)この名前を使えなくなったら困るもの
(2)お客さんの目に触れることが多いもの
(3)この名前を使えなくなったら、お客さん、取引先、提携先などが困るもの
こういったものが優先されます。
流通販売する教材の名前(商品名)などは、お客様の目に触れることが多く、かつ、販売に当たり自分以外の提携先等が関わることが多いため、商標登録する責任は大きくなります。
「資格の名前」は、認定資格を受けたお客さんの履歴書に載ったりするものですから、これも重要です。
オリジナルの技術やメソッド名は、どちらかというと、競合他社との差別化のために、経営戦略的な観点で権利を取得します。いずれにせよ、「早い者勝ち」ですので、注意が必要です。
商標登録にならないもの(必要が無いもの)
教育分野は、資格名やメソッドの名前など、何かと商標登録する必要が多いですが、商標登録する必要の無い名前を選択するというのも、重要な考え方です。
例えば、心理カウンセラー、カイロプラクティックといった普通名称は、商標登録できないですし、する必要がありません。
また、普通名称でなくても、例えば、「うつ専門カウンセラー」とか「腰痛カイロプラクティック」のような形で、そのサービスの内容をそのまま表すような肩書きや資格名などは、商標登録することができませんし、する必要がありません。
ただし、上で説明したものは非常に分かりやすい例ですが、商標登録する必要があるのかどうか、専門家から見てもグレーゾーンなものがたくさんあります。迷ったときは、一度、弁理士にご相談ください。
協会ビジネスについて
協会ビジネスについては、過去の記事で詳しく書きましたので、こちらをご参照ください。
実は、「協会名」については、現在の特許庁の運用により、商標登録しやすいという現状があります。
例えば、「日本◯◯協会」という協会名は、◯◯の部分が普通名称であっても商標登録できることが多いです。この運用には疑問の声は無いわけではないですが、うまく利用すると、その業界における権威的な団体を作ることができますので、狙ってみるのも手です。
商標登録をご検討の方へ
AIS弁理士事務所では、中小企業や個人事業主の商標登録を多く取り扱っております。まずは、お話を聞いて、商標登録する必要があるかどうかからご相談に乗りますので、お気軽にお問い合わせください。
こんにちは、東京都杉並区で商標登録専門弁理士をしております井上です。
ここでは、事業を始めて、どのくらいの時期に商標登録をするのが良いか、そのタイミングや、優先順位などをご説明していきます。
商標登録のタイミング
これについては、正解というものは無いのですが、観点として二つぐらい重要なものがあると思います。
(1)その商標が使用できなくなったとしたらどれくらい困るか?
(2)その商標が使用できなくなったとき、自分以外に誰が困るか?
この二つの観点で考えてみて、商標登録にお金を払うだけの価値があると感じたら、商標登録のタイミングだと思います。
この中で、特に気にしなければならないのは、(2)の観点です。
「自分以外」というのは、「お客さん」「取引先」「提携先」などを指します。ビジネスの規模が大きくなり、関わる人間が多くなるほど、万一その商標が使えなくなった場合に迷惑をかける相手が多くなります。例えば代理店、小売店などの「提携先」には、直接的な損失を与えてしまう可能性があります。
そのように考えると、商標登録は、一種の損害保険のようにも考えられます。自分一人で車で走る分にはそれほど商標登録する義務は大きくないですが、他人を乗せたり、他人が運転したり、交通量の多い道を走ったりする場合は、損害保険に入ることは限りなく義務に近くなります。
(商標登録をするかどうかというのあは、ドライに言ってしまえば、費用の問題だけとなります。予算があるならば、商標登録はしないよりしたほうがいいです。)
商標登録をする順番(優先順位)
自社が使用している商標は一つとは限りません。
例えば、
(1)会社名
(2)商品名
(3)ブランド名
(4)店名(サイト名)
(5)サービス名(メソッドの名前、施術の名前、資格名、肩書きなど)
このように、商標にも色々あります。
気合いの入った方は、最初から全て商標登録することもありますが、多くの場合、大きな起業であっても、優先順位を付けて、重要なものから予算の範囲内で少しずつ商標登録していきます。
さて、優先順位ですが、簡単に言うと、一番お客さんの目に付くのはどれか、一番お客さんにアピールしていきたいものはどれか、といった「お客さん」、特に「エンドユーザー」の視点で決めていきます。
実際には、業種によって異なるわけですが、(2)の「商品名」は、非常に優先度が高いです。エンドユーザーの目に直接触れるものであり、広く流通させるものだからです。
(3)(4)なども、お客さんの目に触れることが多く、かつ、ブランドイメージと直結するものなので重要です。
一方、(1)の会社名は、必ずしもお客さんの目に触れることは多くない場合があります。このような場合は、後回しにしても良いと思います。
(5)は、競合他社との差別化のために権利を取得することが多い分野です。こういう分野については、むしろ、経営戦略的な視点から考える必要があります。「早い者勝ち」であることを意識して、他社に取られる前に権利を取得するということになります。
文字商標とロゴマークとどちらを先に商標登録する?
これは、結論から言ってしまうと、文字が優先な場合が多いと考えています。
ただ、最近は東京オリンピックエンブレム問題など、ロゴマークに関する商標の意識も高まっています。文字とロゴマークの両方を商標登録する予算が無い場合は、ロゴマークとして、文字と図形両方を一度に商標登録してしまうという手もあります。
商標登録初心者の方是非ご相談ください
大企業とは異なり、中小企業では、全ての商標を完璧に保護できるだけ、商標登録に予算をかけることはできません。ですので、商標登録に関しては、「どの商標を優先するか」という観点が重要になります。
AIS弁理士事務所では、中小企業や個人事業主の商標登録を多く取り扱っていますので、商標登録する候補がいくつもあるという場合も、適切なアドバイスができるかと思います。
無料お問い合わせフォームから、お気軽にご相談ください。